『Range』を読んだサラリーマンが学習する範囲について考える。

Persona ~想定読者~

上場企業の子会社で総務経理担当の家入さん、これからも会社や社会に必要とされる人材であるために、また、自分の力で人生をコントロールする力をつけるために学習することを決めた様子。サラリーマンがどの分野を学べばよいかをネットで検索してみて・・・

Abstract ~要旨~

人生をコントロールするためには、常に学習することが必要です。学習する分野は自分の専門領域の知識だけある”I型人材”より、領域は広く、自分の専門分野の理解度は深い、”T型人材”が望ましいと一般的にいわれています。個人的には、知識の領域は広く、専門分野の理解は深い人材は”V型人材”だと思います。
 学習する分野は自分の仕事で求められる領域に近い分野が理解しやすいかとは思いますが、興味を持てる分野から学習していくのがよいと思います。

Why? and How? ~記事を書いた理由と切り口~

自身の人生や仕事において、自分で人生のコントロールする力をつけるため、ビジネスマンも学習し、自分の知っていること、出来ることを増やし、魅力的な人材になる必要があります。今回は学習する領域と、どのようなタイプの人材になるかについての記事を書いていきます。
 ビジネスマンが学習するとして、あなたは何を学習しますか?自分の仕事で求められている分野を想像した方は、私が考えている学習の範囲とは少し違っています。仕事上、それらを習得するのは当たり前だからです。当たり前のことを実施するのは、それはそれで必要ですが、自分の力で人生や仕事をコントロールしていく力をつけ、周りから魅力的な人材として扱われるのには、少し足りません。
 この記事では、ビジネスマンが学習する領域やどのような人材を目指すかについて、最近『Range』を読んだ私が考察します。

What ~内容~

『Range』は、DAVID EPSTEIN氏によるニューヨークタイムズでベストセラーになっているビジネス書です。著者のDAVID EPSTEIN氏は2013年に出版された『The Sports Gene』ですでに同ベストセラー作家として有名のようで、同著は邦題『スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?』としても販売されています。
 スポーツライターのようで、本書『Range』の出だしも、一つの道を幼少から続けていた天才ゴルファー、タイガーウッズと、いろいろなスポーツを経験したテニスの王者、ロジャーフェデラーの対比から始まります。
 本書に書かれている内容のエッセンスを一言で表すと、「T型人材を目指せ。」だと理解しました。

”I型人材”と”T型人材”について

I型人材、T型人材などの単語を聞いたことがあるでしょうか。横軸に知識の領域、縦軸に知識の理解度をとったときに、ある特定の領域にのみに知識がある人材をI型人材、ある特定の領域の十分な知見と、幅広い知識を持つ人材をT型人材と言われています。本書では触れられていませんが、Π型人材やH形人材などというタイプもあるようです。
 さて、ここではどのタイプの人材を目指すべきかを考えていくことにしましょう。一般的にI型人材よりも、広い範囲の知見を浅くでも持っているT型人材が望ましいのは想像できることでしょう。本書でもT型人材であることを推奨しています。このT型人材が望ましいことを表す日本語で妥当なのは「井の中の蛙大海を知らず」でしょうか。
 ビジネスマンが、自分の業務で使用する知識とは違う部分を学習することで、世界が広がることや、結果的に自分の専門分野の理解を深める一助になること。効率性の向上などなど様々なメリットがあります。
 学ぶ分野についてですが、あなたがもし会計関係の仕事をしているのであれば、隣接する税務や法務、経済などがよいでしょうか。あなたがもしメーカーの営業であれば、生産管理や原価計算などがよいかもしれません。
 はじめは自分の興味がある分野がよいと思います。同一分野の本を5冊ほど読んで同じことが繰り返されている部分を頭に入れれば専門領域の人と一応話ができるくらいにはなれます。

”V型人材”について

ここからは、私見ですが、私は”T型人材”よりも、”V型人材”のほうが理解しやすいので、V型人材のイメージを記載していきます。
 繰り返しになりますが、横軸に知識の領域、縦軸に知識の理解度をとったときに、ある特定の領域に詳しい方は多いと思います。この状態を”I型”の状態と考えます。ここから、横軸の領域を広げることになりますが、領域を広げることにばかり力を入れることに私は違和感を覚えます。
 知識が広がった領域の辺境部分の理解度が低いのはわかりますが、専門領域に近い部分の理解度はある程度の深さになるのではないでしょうか。それを図示すると、”T型”ではなくて”V型”になると思うのです。

協働時に”T型人材”2名と”V型人材”2名との比較について

ビジネスでは、自分の専門領域以外を専門領域で持っている人と協働して仕事をすることが多いです。仮にあなたとAさんでその仕事でをするとして、あなたとAさんそれぞれがT型人材であった場合、二人の間の中間領域の知識を持つ人材を追加する必要があるでしょう。
 一方、あなたもAさんもともにV型人材であった場合、二人の間の領域に追加の人材は不要かもしれません。中間の領域についての知識が2人にあるためです。

Conclusion ~おわりに~

今回は、『Range』の紹介というより、よく言われている”T型人材”より、”V型人材”のほうが理解しやすいですよね。という内容になってしまいました。ただし、T型V型ともに、知識の領域は広い点については共通しています。広い分野の知識を得ておくことは後々で役に立つことが多いです。まずは、自分の興味のある分野の学習をすることをお勧めします。
 本書では、任天堂の横井さんの話が1章にわたって紹介されています。海外の本で日本人の話題が出てくるとそれだけでなんかうれしくなりますよね。

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